光線療法
光線療法(Light Therapy)とは
太陽光線の大いなる恵みを、病気の治療や健康法に応用した副作用の無い自然療法です。
光線療法は、個体に備わった自然治癒力を高めて病気を治す治療法です。 従って、病気を対象とする病院医療と異なり、適応症は極めて広範囲にわたり、疾患を選びません。
光線療法は光と熱のエネルギーにより体力を高め、身体を温めて血行を良好にすることで、免疫力を強化します。更に光線療法により皮膚で産生されたビタミンDによっても免疫力が強化されます。(このように、光線療法は体力や免疫力を高める作用があるので、新型コロナウイルス感染症など治療薬がない疾患の場合でも、感染予防や感染後の重症化予防に役立つと考えられます)
光線療法の起源は日光療法ですが、人類は有史以来、太陽光線を保健・治療の目的に応用しています。
太陽光線に替わる人工光線の治療器は、1893年にフィンゼンにより初めて作られましたが、彼はこれを用いて、皮膚結核の治療に卓越した効果をおさめ、1903年にノーベル医学生理学賞を授与されています。
光線は別名「太陽灯」または「カーボン灯」とも呼ばれますが、この光には赤外線・可視光線・紫外線が含まれています。 この紫外線は、皮膚・細胞に無害な長波紫外線が放射されていますので、安心して使用できます。
-光線療法の目的と照射時間-
光線療法は、治療の目的に応じて赤外線・可視光線・紫外線*域の波長のカーボンを選定し、光線器具にセットし電源を入れてカーボンをスパークさせ、その光を保健と治病の目的に患部に照射する治療法です。
※皮膚がんとの関連が疑われる短波紫外線は放射されず、皮膚、細胞に無害な長波紫外線が放射されていますので安心です。
カーボンの高熱燃焼(約3000度)により放出される光線は、自然の光線より10~20分の1と弱く、照射時間は30~40分ぐらいの照射を目安にします。 状況によっては1時間以上の照射を必要とすることもあります。
-カーボンの種類と使い方-
【標準光線用カーボン】
赤外線・可視線・紫外線をほぼ均等に放射します。
必要な光化学物質の生成と免疫力を強化します。
【強赤外線用カーボン】
赤外線は透過力に優れ、深部温熱作用があるため、局所循環を著しく促進します。
鎮痛・消炎・解毒などに特に効果があります。
【強紫外線用カーボン】
紫外線は皮膚の抵抗力を高め、かゆみを止め、殺菌作用があります。
この特性から、慢性の皮膚病や皮膚真菌症に汎用されます。また、毛細血管を拡張する働きがあります。
【強可視線用カーボン】
透入深達性があり、新陳代謝・消炎・硬結吸収などに影響する作用があります。
また、内分泌系(ホルモン)や自律神経に作用し、生体のバランスを整えます。
【当院にて使用するカーボン】
東京光線研究所:サナモアカーボン/黒田光線:ファミリーサンカーボン/ライブリー:フォトピーカーボン/コウケントー:コウケントーカーボン
光線の効果
-筋肉・骨・神経など組織に対して-
光線には、痛んだ筋肉・靭帯・神経・血管などの即効回復を図り、骨の形成・再生を補う働きがあります。
その効果は、他の病院等で使われている遠赤外線・マイクロなど患部の表面のみを温めて血液循環を良くするといったものとは全く異なっています。
腰痛・関節痛・捻挫などの場合は、赤外線・可視光線が体内深部まで浸透し(頭蓋骨をも透過し脳内で検出される程)、患部の血液循環を著しく改善して血流を増し、炎症や発熱の元となる物質を速やかに吸収して排除し(消炎作用)、障害を受けた組織の再生を促しますから(鎮痛作用)、急性期・慢性期の炎症・痛みを問わず治癒までの期間を明確に短縮できます。
甲子園の常連校やプロスポーツ選手の多くも治療に取り入れています。
光線は組織の再生のみならず、生活習慣病(がん、心臓病、脳血管疾患など)の予防にも優れた効果を表します。
また殺菌・抗菌作用・止血作用・毒素中和作用・表皮再生・肉芽形成作用がありますから、
擦り傷・切り傷・火傷・術後・皮膚病の方全てに絶大な威力を発揮します。
-自律神経やホルモンに対して-
屋内で過ごすことの多い人は、太陽光の欠乏・人工照明の影響により、自律神経の乱れ・脳内ホルモンの分泌異常が指摘され、うつ病・自律神経失調症・内分泌(ホルモン)異常の一因になっていると言われています。
生物は可視光線により、昼と夜を知り、交感神経・副交感神経の切り替えを行っています。
人間の場合、目から入ってきた可視光線が、脳の中心の視床下部に届き、自律神経に直接働きかけ自律神経を安定させたり、最近注目されているセロトニンやメラトニンなどの脳内ホルモンの調整も行っています。
自律神経に対して | 太陽光線は全身の血液の流れを良くし脳充血をとり、自律神経を調節して精神を鎮静化し心地よい安眠をもたらします。 |
内分泌能(ホルモン)に対して | 紫外線・可視光線はホルモンの生成と調整作用があり、体内で自家ホルモンが生成され内分泌機能を正常にします。 |
光線には、自律神経・ホルモンの安定・調整の他にも酵素の代謝促進など生活のリズムを整える効果があります。 近年、このように光線が人間の情緒に深く関係し、精神的・肉体的に大変大きな影響を与えている事実が一層明らかになり、光線の有益性はますます高くなっています。
※骨格の歪み(背骨や骨盤の歪み)は、痛みやコリだけでなく内臓疾患、自律神経やホルモンの乱れ他全ての体の不調・病気に大きく影響します。
なので、光線の前後に整体をプラスすればより効果が上がります。
-光線の主な応用例-
内科 | 発熱、食欲不振、肥満等 |
呼吸器 | 風邪、気管支炎、気管支喘息、肺気腫、肺炎、肺結核等 |
循環器 | 高血圧症、低血圧症、動脈硬化症、狭心症、心筋梗塞、心臓弁膜症、心不全等 |
消化器 | 口内炎、胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、胃下垂、胃アトニー、大腸炎、便秘、下痢、肝炎、肝硬変、胆嚢炎、胆石、膵臓炎等 |
腎臓 | 腎炎、ネフローゼ症候群、尿毒症、腎不全、むくみ等 |
内分泌 | 糖尿病、バセドー病、橋本病、痛風等 |
脳・脊髄・神経 | 頭痛、脳出血、脳梗塞、パーキンソン病、多発性硬化症、多発性神経炎、顔面神経麻痺、自律神経失調症、レーノ―病等 |
アレルギー | 花粉症、ベーチェット病等 |
血液 | 鉄欠乏性貧血等 |
小児科 | 発熱、下痢、嘔吐、引き付け(痙攣)、麻疹(はしか)、突発性発疹症、水痘(みずぼうそう)、溶連菌感染、おたふくかぜ、手足口病、りんご病、川崎病、百日咳、リウマチ熱、小児麻痺、夜尿症、脱腸、クル病等 |
外科 | きず(創傷)、創傷感染、損傷、できもの・おでき、蜂か織炎、瘭疽(ひょうそ)、乳腺炎、静脈瘤、閉塞性動脈硬化症、バージャー病、痔、肛門周囲炎、象皮症、術後合併症等 |
整形外科 | 骨折、脱臼、捻挫、三叉神経痛、肋間神経痛、坐骨神経痛、上腕神経痛、腰痛、ぎっくり腰、椎間板ヘルニア、脊椎分離・すべり症、変形性脊椎症、骨軟化症、骨粗鬆症、脊柱管狭窄症、脊椎側弯症、頸肩腕症候群、四十肩・五十肩、肩こり、鞭打ち、斜頚、腱鞘炎、変形性膝関節症、変形性股関節症、大腿骨頭壊死、膝内症、骨髄炎、骨端炎、リウマチ、骨・関節結核、野球肩・テニス肘等のスポーツ障害、運動機能障害のリハビリテーション等 |
泌尿器 | 前立腺肥大症、前立腺炎、尿道炎、膀胱炎、腎盂腎炎、陰のう水腫、腎臓結石、尿管結石、尿道結石、腎出血、尿路結核、性欲減退、性病等 |
皮膚科 | 湿疹、かぶれ、アトピー性皮膚炎、乾癬、掌蹠膿疱症、じんましん、薬疹、皮膚掻痒症、にきび、いぼ・たこ・魚の目、ヘルペス、帯状疱疹、とびひ、丹毒、疥癬、尋常性狼瘡、水虫、円形脱毛症、虫刺され、あせも、ひび・あかぎれ、わきが、白斑、火傷、しもやけ、ケロイド、しみ、化粧品かぶれ、日光皮膚炎等 |
耳鼻科 | 外耳湿疹、外耳道炎、中耳炎、耳鳴り、耳管狭窄、乳様突起炎、メニエル病、突発性難聴、急性・慢性鼻炎、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎(蓄膿症)、扁桃腺炎、咽喉頭炎、アデノイド等 |
眼科 | 眼精疲労、ものもらい、涙のう炎、結膜炎、トラコーマ、フリクテン、角膜炎、角膜ヘルペス、角膜潰瘍、強膜炎、飛蚊症、白内障、緑内障、網膜はく離、眼底出血、糖尿病性網膜症、仮性近視等 |
産婦人科 | つわり、不妊症、月経異常、生理不順、生理痛、子宮内膜症、子宮筋腫、更年期障害、冷え性等 |
精神科 | ノイローゼ、不眠症、うつ病、そううつ病、てんかん、アルツハイマー等 |
歯科 | 歯痛、虫歯、歯槽膿漏等 |
がん | 予防、免疫療法、副作用の軽減、鎮痛効果等 |