整体の視点からみた肩こり・腰痛の原因と解消法
肩こりや首こりがひどく、更に頭痛まで起きたり、慢性的な腰痛やぎっくり腰などで生活に支障をきたしてしまう可能性は誰しもあるものです。当整体院には肩こりや腰痛の悩みを抱えて訪れる方が少なくありません。その方の状態に合わせて施術を行いますが、整体の視点からすると根本的な原因はほぼ同じです。ここでは肩こりと腰痛について、考えられる原因を説明したうえで、予防の仕方や解消法を紹介します。
<目次>
・肩こり・首こりの症状
・肩こり・首こりの原因
女性の方が肩こりになりやすい
スマホ首(ストレートネック)
・肩こり・首こりを予防するには
日常的に運動する
ストレスを発散する
・整体による肩こり・首こりの解消
背骨と肩こり・首こりの関係
肩甲骨へのアプローチ
・腰痛の症状
・腰痛の原因
腰部脊柱管狭窄症
・腰痛の予防方法
抗重力筋
筋肉をつけるには
・整体の視点からみた腰痛と肩こり
・整体施術による腰痛と肩こりの解消
・まとめ
肩こり・首こりの症状
一仕事終えて「あ~肩がこった」と無意識に言葉が出ることはありませんか?そのように症状は軽くても、日常の中で肩こりを感じる場面は少なくありません。しかし、「肩がこっただけだから、大したことない」とそのまま放っておくと首こりにまでつながり、次第に症状がひどくなる可能性があるため注意が必要です。
首のつけ根から肩や背中にかけて張りを感じたときに「肩こり」「首こり」と呼びますが、さらに悪化すると頭痛やめまい、吐き気といった症状が出ることがあります。また眼の疲れや倦怠感も肩こりと関係があるといわれます。
肩こり・首こりの原因
大人の頭の重さは5〜6kg程あるといわれ、首の上にスイカ1個が乗っているほどの負担になります。それを支えるには首や肩だけでなく、あらゆる筋肉がバランスよく働かねばなりません。
特に首から肩や背中の上部を被うようにして支える僧帽筋は、肩こりを引き起こす原因となりやすい筋肉の一つと考えられています。一説では、カトリック教フランシスコ会の一派で修道士がかぶる長頭巾の形に似ていることから、和名で「僧帽筋」と呼ばれるようになったといわれます。
女性の方が肩こりになりやすい
日本では、女性のほうが男性よりも肩こりの発症率が高いというデータがあります。女性は日常的に挨拶などで深々とおじぎをすることが多く、前傾姿勢により僧帽筋に負担がかかるため肩こりになりやすいからです。しかも男性より筋肉量が少ないため体が冷えやすく、血行不良から肩こりを訴える女性が少なくありません。
スマホ首(ストレートネック)
近年、スマートフォンが急速に普及したことよって、肩こり・首こりの新たな原因と考えられるようになったのが「スマホ首」です。スマホを覗き込むようにして見るため、前傾姿勢が続いて「スマホ首」さらには「ストレートネック」と呼ばれる状態になります。首の前側にある胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)が収縮してしまい、肩こり・首こりを起こすといわれます。
スマホ首(ストレートネック)
近年、スマートフォンが急速に普及したことよって、肩こり・首こりの新たな原因と考えられるようになったのが「スマホ首」です。スマホを覗き込むようにして見るため、前傾姿勢が続いて「スマホ首」さらには「ストレートネック」と呼ばれる状態になります。首の前側にある胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)が収縮してしまい、肩こり・首こりを起こすといわれます。
肩こり・首こりを予防するには
肩こりや首凝りを予防するための方法を紹介します。}
スマホ・PCの使用は適度に
スマホを長時間見過ぎることもよくありませんが、デスクワークでPCを同じ姿勢で使い続けることも肩こりや首こりの原因となります。いずれにしろディスプレイはブルーライトを発するため、長時間見つめることで、眼の疲れから肩こりにつながります。1時間に1回程度休憩をして体を動かしたり、遠くの景色を見たりするなど、肩こり・首こりを予防するには、スマホやPCを上手に使うことが大切です。
日常的に運動する
前項で僧帽筋の負担、疲れから肩こりを引き起こす例を挙げました。肩こり・首こりの予防には僧帽筋をはじめ、首を支えるために必要な筋力をつけることも重要です。
スマホの使いすぎや長時間のデスクワークと関連します。運動不足になりがちな現代の生活において筋力が落ちてしまうと、弱った筋肉をカバーしようとして筋肉の緊張が生まれ、バランスが崩れて肩こり・首こりにつながります。日頃から体操やストレッチなどを行うようにすれば、肩こりの予防になります。
ストレスを発散する
精神的なストレスを溜めてしまうと、自律神経に影響を及ぼして血流が悪くなることがあります。それによって体の冷えや筋肉の硬直につながるため、肩こり・首こりを引き起こす可能性があります。そうなる前にストレスを発散するようにしましょう。
整体による肩こり・首こりの解消
肩こりや首こりがひどくなると、手指にしびれを感じることもあります。これは背骨の中を通る脊髄(せきずい)の影響によるもので、肩こり・首こりと脊髄の関係を裏付ける症状でもあります。
背骨と肩こり・首こりの関係
背骨(脊柱)は椎骨と呼ばれる骨が連なってできており、首の部分は7個の頚椎、胸からおへそあたりは12個の胸椎、腰の部分は5個の腰椎、ほかに仙骨、尾骨からなります。椎骨と椎骨の間には椎間板というクッションの役割を果たす部分があり、それによって脊柱がつながっているのです。
脊柱の中には、脳とつながる太い神経・脊髄が通っており、さらに細かく枝分かれしたさまざまな神経が内臓や手足につながっています。椎骨によって神経がつながる部位が変わるため、それぞれの椎骨によって影響を及ぼすところも違ってきます。
頚椎の神経が傷んだときは、腕や指に痛みやしびれを感じるとされており、そのため肩こりや首こりとともに手指がしびれる症状が出ることがあるのです。
肩甲骨へのアプローチ
例えばスマホ首によって猫背になると、肩甲骨が両サイドに広がる形になります。肩甲骨周辺の筋肉が硬くなって、背中に張り付いたような感じになると、肩こり・首こりを発症しやすくなり、さらに自律神経への悪影響を及ぼします。
肩甲骨ストレッチで肩こりを解消する方法もありますが、症状がひどいときには整体施術で肩甲骨にアプローチしていわゆる”肩甲骨はがし”をおこないます。肩甲骨の柔軟性を取り戻すことによって、症状を和らげる効果が期待できます。
腰痛の症状
腰痛に悩む人は日本全国に約3000万人もいるといわれます。その症状は慢性の腰痛から、ぎっくり腰のように急性のものまでさまざまです。腰痛の原因を突き止めるには、まずどのような症状に悩んでいるかを把握する必要があります。
たとえば、「朝寝床から起き上がるときに腰が痛い」、「腰を曲げたときに痛む」、「長い時間同じ姿勢を続けると、腰が痛くなる」というような症状が3か月続く場合は慢性腰痛にあたります。悪化すると、腰だけでなくお尻や脚に痛みやしびれを感じるようになり、背中が丸まってきます。
「ぎっくり腰」は急性腰痛のことです。重い物を持ち上げようとした瞬間や、ゴミを拾おうとしてふと前屈みになったとき、あるいはくしゃみをしただけで腰に激痛が走るのが特徴です。ドイツ語で「魔女の一撃」(Hexenschuss)といわれるように、突然腰が痛くなり、動けなくなることもあります。理由もなく腰痛に襲われるのでそのような通称で呼ばれるのですが、場合によっては慢性腰痛のような前兆を感じていて、ぎっくり腰になることもあります。
腰痛の原因
肩こり・首こりの項目で背骨(脊柱)を構成する椎骨と椎骨の間にある「椎間板」のことを説明しました。クッションのような役目を持つ椎間板は線維輪と髄核からなる軟骨で、柔軟性があります。加齢など何らかの原因で椎間板が変性してはみ出すことを「椎間板ヘルニア」といいます。ヘルニアとは組織の一部が飛び出すことで、腹部の場合は腹壁に生じた欠損部から腸管や脂肪がはみ出すことを「脱腸」、太腿の付け根部分に発生する場合は「鼠径ヘルニア」になります。
椎間板ヘルニアは、はみ出した軟骨部分が、脊柱を通っている神経を圧迫して、痛みやしびれなどを起こし、坐骨神経痛の原因になるとされます。
腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症も椎間板と関係しています。背骨(脊柱)は主に椎骨、椎間板、神経、黄色靭帯から構成されています。脳からつながる脊髄神経は、背骨の中にある空洞を守られるようにして通っており、そのトンネルのような役割を果たす空洞を「脊柱管」と呼びます。
腰部脊柱管狭窄症は何らかの原因によって、その「脊柱管」といわれるトンネル部分が狭くなり、神経を圧迫し炎症を起こすものです。
生まれながらにして脊柱管が狭いことや、交通事故などの影響で狭くなることもまれにありますが、主には加齢によって椎間板が潰れて背骨が変形することが原因とされます。腰椎椎間板ヘルニアが比較的若い年代に多く見られるのに対して、腰部脊柱管狭窄症は40歳以上から多くなり、発症する平均年齢は60歳以上と高齢になるのが特徴です。
腰痛の予防方法
腰痛を予防する方法について紹介します。
抗重力筋
腰痛予防対策をおこなううえで、近年注目されているのが抗重力筋(こうじゅうりょくきん)です。言葉の意味から「地球の重力に抗うための筋肉」ということになります。
わたしたちは無意識のうちに重力がかかっているなかで、バランスをとって立ったり歩いたり、手足を動かすために筋力を使っています。宇宙飛行士は国際宇宙ステーションで活動する際に、重力がないため地球上のように筋力を使いません。そのため筋肉が衰えないように、宇宙用のマシンで筋肉のトレーニングを行っていることからも「抗重力筋」の必要性が分かります。
抗重力筋は、地球上で基本的な立位姿勢を維持するためにバランスを保つために使われます。人間の背骨は全体にゆるやかなS字カーブを描いている状態が理想的とされますが、そのためにも全身の筋力が必要です。
抗重力筋は大きく分けて、背中部分の脊柱起立筋(多裂筋、最長筋、腸肋筋)、お腹辺りの腹筋群(腹直筋、腸腰筋)、お尻部分の大臀筋、太もも部分の大腿四頭筋、ふくらはぎ部分の下腿三頭筋・前脛骨筋があります。
加齢とともに筋力が低下すると、重力に抗う力が弱り、姿勢を維持できなくなってしまいます。それを予防するためには抗重力筋をつけることが必要です。
筋肉をつけるには
抗重力筋を鍛えるには、特別な運動をしなくともスクワットをするだけで効果が期待できます。また、体幹を鍛えるための運動に、四つん這いのポーズから対角となる右腕と左脚(あるいは左腕と右脚)をまっすぐ伸ばして姿勢をキープする方法があります。ほかにストレッチなども効果的ですが、大切なのは日常的に続けることです。
整体の視点からみた腰痛と肩こり
肩こり・首こりと腰痛について症状と原因を説明しましたが、整体の視点からみると背骨(脊柱)に関連した同じような原因に行きつきます。人間の背骨は緩やかなS字カーブを描いている状態が理想的であることは、整体の基本でもあります。背骨のゆがみから各部につながる神経に影響を及ぼし、自律神経が乱れることによって心身の不調を起こすと考えられるからです。
部位の近さからみると、肩こり・首こりは肩甲骨、腰痛は骨盤のゆがみが大きく関わっているように思われます。しかし、背骨を通じて全身はつながっていることから、後頭部と肩甲骨、骨盤のバランスがとれている状態が最も望ましいと考えられます。
早く傷みを和らげるため局所的な対処法を行うこともありますが、根本的に改善するには全身に目を向けることも必要になるのです。そうした意味で自ら抗重力筋を鍛えることは重要といえます。
整体施術による腰痛と肩こりの解消
整体の視点からみた腰痛および肩こり・首こりの原因が、背骨や骨盤にあることを踏まえて、どのように施術を行うか説明いたします。
整体院にもよりますが、当整体院では肩こりだからといって、肩を強くもみほぐすようなことはしません。
個人個人の筋肉や関節の固さに応じた適切な力加減で、肩甲骨周辺や背骨沿い・骨盤周辺に対して押圧や伸展を加え、筋肉の緊張を緩めます。また、全身のツボ(経穴)を指で適度に刺激することで気の流れを良くします。経穴は東洋医学でいう気血が流れる経絡でつながっており、局部だけでなく経絡を通していろいろな部位に効果を及ぼします。
(たとえば、足の三里というツボは胃に関係があり、適度に刺激することで胃の働きがよくなることで知られます。)
このように筋肉の緊張を緩めたところで、カイロプラクティック・操体法などのテクニックにより背骨・骨盤などの矯正を行い、ゆがみを直していくことで、腰痛や肩こりの解消が期待されます。
まとめ
肩こり・首こり、腰痛について整体的な視点から解説しましたが、症状がひどいときは病院を受診することをおすすめします。内臓疾患などが原因である可能性もあるため、まずは検査することが重要です。医師が原因を特定できなかったときは、整体院を頼ってみましょう。
福岡県にある森川整体光線療院の施術は、マッサージやリハビリ効果に終わらず、対処療法ではありません。整体の基本的な施術にカイロプラクティックを応用し、副作用の無い光線療法も取り入れ、根本的な改善を目指しています。